みなさんこんにちは、Asaです。
ここ最近ブルプロのことばかり記事にしてきましたが、今日はちょっと趣向を変えて、僕のおすすめのマンガを紹介させていただきます。

アオアシ小林有吾
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アオアシは、Jユースを題材にしたサッカー漫画です。現在20巻まで発売中。
ユースというのは、一般には「育成年代」という意味で、高校生から20歳くらいまでの世代を指します。
しかしこと日本のサッカーにおいては、「Jリーグクラブ」が持つ、高校生年代の育成組織を指します。これがいわゆる「Jユース」

ひょんなことからこのJユースに入団した主人公「青井葦斗」が、仲間たちと成長しながらプロサッカー選手を目指していく、というのがこの漫画の基本的なストーリーです。
これだけ聞くと、まぁよくあるスポーツ漫画な訳ですから、ここからはなぜアオアシがめちゃくちゃおもしろいのかを私なりに解説してみたいと思います。


何がそんなに面白いのか

①始めから「プロ」を目指すこと前提の、ガチガチな理論サッカーを展開

このマンガ、登場人物のほとんどが、みな一様に「プロ」になることを目指しています。それも本気で。
なので、試合中のサッカー描写がそりゃあもう「ガチ」なんですよ。

僕は小学生のころ3年ほどサッカーをやっていたのですが、当時の僕に読ませてやりたいくらい、サッカーをする上で大事な技術、モノの見方が詰まっています。

「めちゃくちゃ上手いプレイヤーが一人でなんとかしてくれる」マンガじゃないんです。
※めちゃくちゃ上手くて一人で解決しちゃいそうなやつも出てくるには出てきますが

それぞれのポジションの選手が、普段どんなことを考えながら動いているのか。
サッカーのいう「連携」とは具体的にどういうことなのか。
サッカーの「上手さ」の差は、個人技術以外にどんな点があるのか。

そんなことを、サッカー経験者は唸りながら、未経験者もそうだったんだ!と納得できるように、非常にわかりやすく書いてあるんです。

特に面白いのが、アオアシはディフェンダーの解説がすごく丁寧なところ。

ディフェンダーはどうやって相手からボールを奪えばいいのか。
奪った後どうやってボールを展開していけばいいのか。
奪われないためにどうすればいいのか。

サッカーのディフェンスをここまでしっかり描写したマンガって今までなかったんじゃないかと思います。そんなにサッカー漫画読んだことないですけど。

熱心なJユースサポーターでもない限り、私達が普段サッカーに触れる機会といえば日本代表の試合になるでしょうが、このマンガを読んでいれば、日本代表の試合がいつもの3倍楽しめること間違いなしです。いやこれは割とまじで。それくらいサッカーのことが理論的に書かれています。

これがおすすめポイントその1。
ただ、これだけだとサッカーに興味がない人には響かないですよね。
まだまだ書きますよ!!


②夢を目指すキャラクターたちから学ぶ、正解のない生き方

何度も書きますが、アオアシの登場人物たちの殆どは、「プロサッカー選手」を目指しています。
それだけではなく、例えば主人公アシトが所属する東京エスペリオンのユースチーム監督福田は、「自分のクラブで世界を掌握する」という野望を持っていますし、
またヒロインの花ちゃんは「スポーツ外科医」になることを夢見ています。

この物語の登場人物にはみな「夢」があり、その実現のために全力で目の前の壁にぶつかっていきます。
これが、本当に清々しい。

アシトが所属するのはJユースのチームですが、話の中では高校サッカーも結構頻繁に描かれます。
ユースと高校部活の違いや、そこから生まれる考え方の違い。アオアシはこの問題にもメスを入れます。
しかし、違いはあれど、皆プロサッカー選手を目指していることには代わりありません。

環境の違いだけではありません。
チームの中には、様々なタイプの選手がいます。

プロになるためなら、何を犠牲にしても構わないと思う選手。
自分のスタイルを突き通すために、周りに迎合する姿勢は一切示さないエゴを突き通す選手。
自分の選択に迷い、戸惑い、自信を失っていく選手。

そういった様々な価値観を持つ選手たちが、試合の中では一つのチームとして、完成されなければならない。

アオアシの面白い点は、サッカーの理論だけでなく、それに取り組む人間たちの内面を、非常に丁寧に掘り下げて描いている点です。

主人公のアシトも、「このやり方でいいんだ!」という姿勢で望むものの、通用せずボコボコにされることが多々あります。その度に打ちのめされる。

でも、それを乗り越えていく。

生まれながらにサッカーの神に愛されたような才能ある選手。
恵まれた体格、体幹を持ち、絶対に競り負けない強さを持った選手。
優れた得点力を持ち、個人の技術だけで状況を打開できる力を持った選手。

アシトはそういった「強い」選手たちの中で、自分がもっと強くなるための方法を模索します。
そして、彼のやり方、彼の方法で、一歩ずつ確実に成長していく。

「プロになること」は一つのゴールです。
そのゴールに辿り着くための方法は千差万別で、人によってアプローチの仕方が異なります。
プロになるために、どんな生き方をしなければいけないのか、どんな選択をしなければいけないのか。

それは決まっているようで、決まっていない。

しかし、一つ確かなのは、その目標達成のためには、「選択」をしていかなければならないということ。

「生き方を変えない」という選択。「環境を変える」という選択。「変化を受け入れる」という選択。


アオアシは、アシトやその仲間たちの、「選択」の連続を描く物語です。
そして、その選択は読む側の私達にも勇気を与えてくれる。
陳腐な書き方になってしまいますが、それを本当の意味で説得力を持たせて描ける小林先生には脱帽です。


③脇役がいない、魅力的なキャラクターたち

サッカーとは1チーム11人で行う競技です。必然的に、物語に絡む登場人物もそれだけ多くなる。
しかもこの手のマンガは、基本的に所要ポジションの選手たちだけピックアップされ、他の選手たちは試合中何をやってるんだかよくわからない、ということになりがちです。

野球漫画なんかは基本的にピッチャー対バッターの対決になるので、キャラクターが描きやすいんですが、サッカー漫画の場合ボールがある場所で物語を描かなくてはならない。これって結構難しいことだと思うんですよ。

でも、この漫画はそのボールを持つ選手一人一人がほんとにしっかり描かれているんです。
その時の心理描写や、そこに至るまでの過程。サッカー以外の部分も含め、とても丁寧です。

だから、どのキャラも本当に好きになってしまう。
良い漫画の条件はキャラクターが魅力的なことだと思いますが、アオアシもその点はバッチリなので、ぜひ読んでほしい。本当に不快になるキャラが一人も出てこないんですよ。すごいな。


いかがだったでしょうか。少し長くなってしまいましたが、今日はアオアシについて語らせていただきました。

もしここまで読んでくださった方がいたとしたら、ぜひネカフェでもどこでもいいので、一度読んでみてください。では。